のれんの減損が業績・財務に影響を及ぼす会社ランキング
3月決算会社の決算発表が近づいてきたので、のれんの減損が業績・財務に影響を及ぼす会社を調べてみました。
▼対象
IFRS(国際会計基準)、米国会計基準適用会社
※M&Aをすると、"買収先の評価額"よりも"買収額"が大きい場合に差額が"のれん"として計上されます。
日本基準では最長20年で定期償却されるのに対して、IFRS・米国会計基準では定期償却がされません。
そのため、残高が過大になっている会社が多いです。
IFRS・米国会計基準では定期償却がされませんが、年に1回減損テストをする必要があります。
買収した会社の業績が不調になり減損の対象となった場合に、のれん残高が大きいと一気に業績・財務へ影響を及ぼす可能性があります。
▼調査内容
1.のれんが税前利益に占める割合
→この割合が大きい場合、のれんの減損により赤字決算になる可能性があります。
2.のれんが自己資本に占める割合
→この割合が大きい場合、のれんの減損により債務超過になる可能性があります。
[参考記事]
「のれんが税前利益に占める割合」と「のれんが自己資本に占める割合」を上位20社ずつまとめてみましたので参考にしてみてください。
数字は直近の年度決算の有価証券報告書から取ってきています。
▼のれんが税前利益に占める割合ランキング
▼のれんが自己資本に占める割合ランキング
ソフトバンクはARM社買収ののれん代が騒がれていましたが本業の調子が良いのでランキング上位には入りませんでした。
武田薬品のシャイアー社買収ののれん代はまだ計上されていません。
それが入ってきたら武田薬品はもっと上位に入りそうです。
税前利益に占める割合ランキングのトップ1,2は割合が2000%を超えています。
日本基準では最長20年で償却なので、もし日本基準を採用していたら20年償却でも赤字になっています。
もし保有している銘柄があった場合、直近の決算内容をより詳細に見て、大丈夫な確信が持てなかったら決算発表のときだけ手放すのもありかもしれません。